脳卒中
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Endothelin-1, thrombomodulin動態および凝血系に対する選択的トロンビン抑制剤の影響について
脳血栓症急性期における検討
小松本 悟奈良 昌治
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1996 年 18 巻 4 号 p. 310-317

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抄録

本研究では選択的抗トロンビン作用を有するargatrobanのendothelin-1 (ET-1), thrombomodulin (TM) 動態のみならず凝固線溶系への影響について検討した.Argatroban投与群を9例, コントロール群の7例を対象とした.Argatrobanは第1, 第2病日には60mg/日を投与し, 第3より第7病日までは10mg/日を投与した.Argatroban投与群における血漿ET-1値は, 発症直後4.5±1.7pg/mlを示し, 第1病日には2.9±1.4pg/mlに減少し, コントロール群の第1病日の値と比較して, 有意に低かった (p<0.05).Argatroban投与前後において血中TMは有意な変動を認めなかった.Argatroban投与前後の血中TMは, age-match controlの血中TM値の13.9±2.3U/mlに比較して有意に高値を示した (p<0.05).Argatroban投与群のD-dimerの上昇は, コントロール群に比較し, その上昇の程度が低い傾向を示した.トロンビンの選択的阻害剤であるargatroban投与により, 血漿ET-1動態, TM動態, 血液凝血系への影響が本研究により明らかとなった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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