脳卒中
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脂肪塞栓による脳梗塞の1例 : Proton MRspectroscopyによる経時的変化
鈴木 重明一條 真琴藤井 博史入交 昭一郎
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1996 年 18 巻 4 号 p. 343-347

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抄録

脂肪塞栓による脳梗塞にproton MR spectroscopy (H-1MRS) を経時的に測定した1例を報告した.患者は32歳男性で大腿骨骨折の受傷6時間後に感覚失語を呈した.心原性塞栓, 血液疾患, 血管炎, 血管奇形は否定され臨床的に脂肪塞栓が原因と診断した.梗塞巣を関心領域としてH-1MRSを第4, 第30病日に施行した.神経所見の改善, SPECT所見から脂肪滴の再開通が推測できたが, H-1MRSにおいてN-acetyl aspartate (NAA) ピークの低下を認めた.NAAは神経細胞にのみ存在するアミノ酸であり, NAAピークの低下は神経細胞の消失を示唆する。この結果は虚血による回復不可能な神経細胞の障害を示唆するものである。脂肪塞栓における神経細胞の障害の指標としてH-1MRSが有用であると考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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