脳卒中
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急性期椎骨脳底動脈閉塞に血管内手術が著効した1例
大谷 良西 正吾鈴木 進野村 素弘橋本 信夫
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1997 年 19 巻 4 号 p. 318-322

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抄録

椎骨・脳底動脈系の切迫卒中に対し血管内手術が著効した1例を, 文献的考察を加え報告した.症例は61歳, 男性で構音障害, 下肢の脱力で発症した.来院時, 意識障害, 四肢麻痺を認めた.脳血管写で左椎骨動脈V4部での閉塞, 右椎骨動脈でのPICA endの所見を認め, 選択的血栓溶解療法 (PTR) を施行した.発症7時間後に左椎骨動脈・脳底動脈双方に糸状開通を認めた.残存する狭窄部に対しバルーンを用いて血管形成術 (PTA) を行ない, 発症7.5時間後に病変部の十分な拡張を得た.頭蓋内, 特に脳底動脈のPTAには, 穿通枝梗塞の危険性があるが, 本例のように進行性の急性脳卒中に対しては, 保存的治療や外科手術では得られない効果をPTR, PTAで得ることができ, 症例を慎重に選んだ場合, 有効な治療法と考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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