脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
抗血小板薬連続内服による血小板凝集能の経時的変動
粒子計測型血小板凝集能測定装置 (AG-10) による検討
紺野 衆高橋 弘明渡辺 活見小泉 大造東儀 英夫
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 19 巻 5 号 p. 340-348

詳細
抄録

アスピリン (ASA) およびチクロピジン (TIC) の効果発現時期を明らかにするため, 経口投与後の血小板凝集能の経時的変動を検討した.慢性期脳血栓症患者18名 (ASA330mg/日連日投与10名, TIC200mg/日連日投与8名) を対象として, 投与前, 投与後1, 2, 4, 7, 14日目に採血し, 比濁法と血小板凝集塊を小, 中, 大に分類し測定可能なレーザー法 (AG-10, Kowa) で測定した.凝集惹起物質の終濃度は, collagen1, 2μg/ml, ADP0.5, 5μMを使用し, 以下の結果を得た. (1), ASAは, collagen1μg/ml凝集で投与1日目から血小板凝集能 (比濁法とレーザー法の中凝集塊, 大凝集塊) を抑制し, 投与12時間以内の検討ではcollagen2μg/ml凝集で投与1時間後から血小板凝集能 (比濁法とレーザー法の大凝集塊) を抑制した. (2), TICは, ADP0.5, 5μM凝集の比濁法で投与2日目以降に抗血小板作用を示し始め, 4日目で最も強い作用を示した.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top