2001 年 23 巻 4 号 p. 307-315
Screen filtration pressure(SFP)法による全血血小板凝集計を用いて,チクロピジン(TIC)とアスピリン(ASA)の抗血小板作用を測定し,比濁法と比較した.対象は脳血栓症慢性期患者85例(TIC群51例,ASA群34例),対照群25例である.全血凝集の測定はADPとcollagenを凝集惹起物質として採血5分後と60分後に行い,血小板凝集能の指標として血小板凝集閾値係数(PATI)を算出した.TIC群とASA群の全血凝集能は,対照群に比べて抑制されていた.全血ADP凝集は,対象群とTIC群では採血5分後より60分後で高値を示したが,ASA群では変化がなかった.全血collagen凝集は,TIC群では採血5分後より60分後で高値を示したが,対照群とASA群では変化がなかった.全血凝集能と比濁法では,ADP凝集では3群で,collagen凝集ではTIC群で負の相関があった.全1血SFP法は,抗血小板薬の評価に有効であった.