2002 年 24 巻 2 号 p. 201-207
熊本市の神経内科関連施設での虚血性脳血管障害急性期治療を調査し「地域完結型」脳卒中診療態勢の特徴を検討した.1999年5月から2000年4月の急性期虚血性脳血管障害806例(男性459例,女性347例,平均年齢71.0±12.2歳)の前向き登録の結果,臨床病型では心原性脳塞栓症が最も多く(29.4%),NIHSSは平均8.2,中央値5.発症3時間以内の来院は41.3%,平均在院日数は17.3±17.4(中央値14)日..退院先は転院44.1%,自宅42.7%,その他7,6%,死亡5.6%であり,自宅退院例の76.6%が14日以内,転院例の62.1%が21日以内に退院していた.転帰良好例(mRS≦2)は49.9%,転帰不良例(mRS≧4)は39.0%であった.急性期病院とリハビリ専門病院の病院チームで,地域を単位とした診療態勢を構築している.