脳卒中
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心原性塞栓による中大脳動脈水平部閉塞症例における血栓溶解療法非施行例の臨床経過と転帰中大脳動脈閉塞症例―血栓溶解療法非施行例―の臨床経過と転帰
阿倍 正人川村 伸悟長田 乾鈴木 明文永田 倫之
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2003 年 25 巻 2 号 p. 230-237

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抄録

1992年1月から2000年6月までに発症4日以内に当院へ入院した心原性塞栓機序による中大脳動脈水平部閉塞症例32例の画像所見,臨床経過を検討した.転帰は,回復良好(GR)が2例(6.3%),軽度障害(MD)が15例(469%),重度障害(SD)が12例(37.5%),植物状態(VS)が1例(3.1%),死亡(DD)が2例(6.3%)であった.32例中19例(59.4%)に閉塞血管の自然再開通を認め,全て発症30日以内であった.自然再開通した19例中12例(63.2%)が転帰良好(GR+MD),再開通しなかった13例中5例(38.5%)が転帰良好であった.梗塞巣体積と転帰について,相関関係に有意性を認めた.閉塞部位で比較すると,遠位部閉塞の66.7%,中間部閉塞の50.0%,近位部閉塞の33.3%がそれぞれ転帰良好であった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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