医療法人尾中病院脳神経外科
2003 年 25 巻 2 号 p. 274-277
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両側の難聴で発症し,その後明らかな脳梗塞症状を呈した症例を報告する.症例は77歳,男性で,右難聴その4時間後に左難聴が出現した.神経学的には右方視にて注視方向性眼振を認めた.発症翌日右片麻痺,麻痺性失声が出現し,脳血栓症として治療を行った.入院4日目の頭部CTで左橋中部に梗塞巣,6日目の3D-CTAでは脳底動脈中央部の閉塞を認めた.1カ月後の3D-CTAでは脳底動脈は再開通していた.難聴のみを主訴とする場合でも脳血管障害が原因である可能性があるため,慎重な経過観察と脳血管の検査が必要である.
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