脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
心原性脳塞栓症に対する局所血栓溶解療法中に塞栓を再発し同側内頸動脈が閉塞した1例
今井 啓輔森 貴久泉本 一渡邉 聖樹
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 25 巻 4 号 p. 369-375

詳細
抄録

左中大脳動脈の塞栓症に対する局所血栓溶解療法(LIF)中に塞栓を再発し,同側内頸動脈(ICA)が閉塞した一例を報告する.全失語と右不全片麻痺のため発症より1時間で搬入された75歳の男性.頭部CTではearly CT signはなく,脳血管撮影にて左中大脳動脈閉塞を認めたため,LIFを施行した.ウロキナーゼ24万単位の動注にて部分再開通した時点で,手技を終了するためにガイディングカテーテルより造影すると左ICA起始部が完全に閉塞していた.同部位に対しては頸動脈ステント留置術を追加し再開通させることができた.翌日施行した経胸壁心臓超音波検査で左房内に径31×25mmの遊離した球状血栓を認めた.本症例では血栓溶解剤によりこの血栓の一部が遊離し塞栓子となり,左ICAを閉塞したと考えた.心原性脳塞栓症に対してLIFを施行する際には,血栓溶解剤による術中再塞栓も念頭におく必要がある.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top