抄録
発症からエダラボン投与開始までの時間が心原性脳塞栓症の機能予後におよぼす影響を検討した.対象は2001年8月からの4年間に当院に入院し,エダラボン60mg/日を7~14日間投与された中大脳動脈起始部閉塞の連続51症例.発症から投与開始までの時間が3時間以内の症例をA群(16例),3~6時間をB群(16例),6~24時間をC群(19例)とした. Japan Stroke Scale (JSS), NIH Stroke Scale (NIHSS) および modified Rankin Scale (mRS) を用い,入院時と28日後に評価しA~C群で比較した. JSS スコアの改善度は投与時期と負の相関(r=-0.7602,p<0.001)を示した.28日後におけるNIHSS スコアとmRSの比較では差(p<0.001)がみられ,早期投与例で軽症が多かった.発症早期にエダラボンが投与された症例ほど,機能的回復が大であった.