脳卒中
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脳梗塞急性期におけるt-PA適応症例の抽出
原 靖幸和田 邦泰寺崎 修司東 大弼平野 照之内野 誠
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2006 年 28 巻 4 号 p. 628-632

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抄録

脳梗塞急性期に対するrt-PA(アルテプラーゼ,以下t-PA)を用いた経静脈的血栓溶解療法が本邦で保険適応となる以前の1年間において,t-PAの適応であったと推定される症例、の抽出を行った.発症7日以内の脳梗塞および一過性脳虚血発作(TIA)患者264例中,発症3時間以内の来院は99例(37.5%),2時間以内の来院は78例(29.5%)であった.心原性脳塞栓症と一過性脳虚血発作で発症から来院までの時間が短い傾向であった.3時間以内来院例において75歳以上は42例であり,42.4%を占めた.禁忌項目を除いたt-PA適応症例は31例(11.7%)であったが,慎重投与項目のNIHSS score 23点以上,JCS 100以上,さらに年齢75歳以上などを除くと,適応症例は11例(4.2%)に減少した.t-PAの有効性を向上させるためには,発症-来院時間短縮へのいっそうの取り組みが重要であるが,加えて75歳以上の高齢者に対するt-PAの安全性や有効性の確立に向けた慎重な症例の蓄積も必要である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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