脳卒中
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超水可溶性リポ蛋白質ならびに水不溶性リポ蛋白質の測定法とそれらの脳卒中における意義について
金沢 武道井沢 和弘村岡 裕子小野寺 庚午目時 弘文
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1981 年 3 巻 3 号 p. 243-249

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抄録

血清中のリポ蛋白質は脂質が可溶性になるための一種の存在形態であるが, さらに, 血清リポ蛋白質を水中透析すると, 上清に移行する超水可溶性リポ蛋白質 (UWS-Lp) と水不溶性リポ蛋白質 (Non-WS-Lp) とに分離することが出来る.この分離方法と両リポ蛋白質の脳卒中における意義を検討した.
対象は脳血栓19名, 脳出血6名および健常者10名である.
UWS-Lp-コレステロールは脳血栓に比して脳出血で高く, Non-WS-Lpコレステロールは脳血栓で他に比して高値を示した.UWS-Lp-トリグリセリドは三対象間で差を示さないが, Non-WS-Lp-トリグリセリドは健常者に比して脳卒中で高値であった.UWS-結合糖は健常者に比して脳卒中で高値を示したが, Non-WS-結合糖は脳卒中で低値であった.
脳卒中の成因・病態を知る上で, このような分画法は有用である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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