脳卒中
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超音波ドプラー法および眼球容積脈波による頚動脈狭窄性病変の診断
大田 純夫稲葉 光宮下 孟士山口 武典
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1985 年 7 巻 1 号 p. 56-61

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抄録

超音波ドプラーイメージ法と眼球容積脈波 (OPG) を用いて頚動脈狭窄性病変の診断を行い, 血管撮影所見との比較を行った.対象は96症例163血管である.ドプラーイメージ法とOPGを単独に使用した場合の正診率, 偽陽性率, 偽陰性率はそれぞれドプラーイメージ法で82.2%, 11.3%, 33.3%, OPGで81.6%, 10.4%, 37.5%であり, 両者の優劣はつけ難かった.両者を併用した場合, 正診率81.6%, 偽陽性率20.0%, 偽陰性率14.6%となり, 単独使用の場合に比べ偽陰性率の低下が認められた.また50%以上狭窄, 完全閉塞の23本中, ドプラーイメージ法では20本, OPGでは22本が正しく診断され, 両者を併用すれば全例診断可能であった.これらの2つの検査法はともに合併症の危険性がなく, くり返し行うことが可能である.両者の併用により偽陰性率を低下させることができるため, スクリーニング検査, 経過観察に有用と思われた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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