脳卒中
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沖縄県における脳動脈瘤の発生と破裂
高良 英一六川 二郎宮城 航一中田 宗朝金城 則雄
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1985 年 7 巻 3 号 p. 248-253

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抄録

脳動脈瘤の発生および破裂について, 亜熱帯地域である沖縄県 (月間平均気温16.0~28.1℃, 湿度70~86%) において調査分析した.
症例は, いずれも手術および脳血管写にて脳動脈瘤が確認された412例であり, 県下脳外科施設からのアンケート調査により集計した.沖縄県における脳動脈瘤の年間発生頻度は, 4.8~6.2人/10万人である.月間平均温度や湿度の変化と脳動脈瘤破裂は関連がない.脳動脈瘤の好発年齢 (40~60歳代, 79%), 発生部位 (内頚動脈系37%, 前交通動脈24%, 中大脳動脈系19%, 椎骨脳底動脈系3%, 多発性12%) およびくも膜下出血発症時の状況などは従来の報告と同様である。男女比は1 : 1.8と女性優位である.
結論として, 亜熱帯環境下にある沖縄県においても脳動脈瘤は決して稀な疾患でなく, 気候的影響はその発生および破裂に大きな影響を与えているとはいえない.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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