脳卒中
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N-Isopropyl-p- (123I) iodoamphetamineによるシングル・フォトン・エミッションCT
脳血管障害例におけるX線CTとの対比検討
棚田 修二米倉 義晴鳥塚 莞爾滝 和郎福山 秀直
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1985 年 7 巻 3 号 p. 275-282

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抄録

脳梗塞22例, 小脳梗塞3例, モヤモヤ病4例, 脳出血1例, クモ膜下出血3例, 動静脈奇形4例, の計37例に延べ43回, N-isopropyl-p- (123I) iodoamphetamine (IMP) によるシングル・フォトン・エミッションCT (SPECT) を行ない, X線CT所見と比較検討した.IMPによるSPECTで限局性異常を呈したのは37/43 (86%) 検査で, 28/37 (76%) 検査がX線CTで示される病変よりも血流低下が広範であることを示していた.IMPによるSPECT無所見6例のうち, 4例はX線CT上, 限局性小病変であった.crossed cerebellar diaschisisは15/39 (38%) 検査に認められ, IMPによるSPECT上, 1側大脳半球の広範な血流低下を示す例であり, X線CT上, 大脳半球皮質部の異常の有無とは関連が認められなかった.IMPによるSPECTは小病変の検出には限界があるものの, 病変部周囲を含めた局所脳血流の変化の評価に有効であった.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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