脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
破裂脳動脈瘤急性期治療における初回破裂後及び再破裂後入院例の治療成績の比較
米満 勤桜井 芳明小川 彰嘉山 孝正鈴木 二郎
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 7 巻 5 号 p. 439-443

詳細
抄録

当科にて過去約6年間に, 最終クモ膜下出血発作後48時間以内に収容した破裂脳動脈瘤患者414例を対象とし, 初回破裂群, 先行破裂後1ヵ月以内の再破裂群に分け比較検討し, 以下の結果を得た.
1) 入院時のgrade (Hunt&Kosnik) は再破裂群でより重症例が統計的有意に多かった.
2) 手術成績及びoverallの成績でも初回破裂群が有意に良好な結果であった.
3) 入院時のgrade別の治療成績では両群に有意の差は認められなかった.
4) 再破裂はその多く (71%) が発作第1日目に集中し, さらに発症6時間以内が多かった (55%).
5) 今後, 破裂脳動脈瘤の急性期治療成績を向上させる為には初回破裂発作直後よりの血圧の厳重な管理及び直ちに根治手術に持ってゆける様な救急システムの確立等が必要と考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top