脳卒中
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未破裂脳動脈瘤 : 未処置瘤の自然経過とそれが持つ諸問題について
浅利 正二国塩 勝三角南 典生山本 祐司貞本 和彦
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1986 年 8 巻 4 号 p. 255-260

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抄録

1979年4月より1985年3月までに経験した未破裂脳動脈瘤80例 (94個) のうち, 未処置瘤を有する42例 (50個) を対象とした.男15例女27例, 38歳~75歳平均60.4歳であった.部位別頻度では内頸動脈領域が16個, 前大脳動脈領域が14個, 中大脳動脈領域が9個, 後大脳動脈領域が3個, 椎骨脳底動脈領域が8個であった.大きさでは, 10mm以下が42個で最多数を占め, 10mmから20mmは4個, および20mmを越えるものは4個であった.合併疾患は高血圧症が12例で最多数であり, 脳梗塞7例, 頭部外傷4例, もやもや病2例等であった.手術が行われなかった理由としては, 破裂瘤や原疾患の重篤さにより未破裂瘤の手術適応がなかったもの13例, 高齢によるもの8例, 希望しなかったもの13例, 瘤の存在を告知しなかったもの4例, 技術的問題によるもの3例, 待期中破裂に至ったもの1例であった.瘤の追跡調査では, 不変8個, 増大4個, 消失2個であった. 予後については, 多発性における破裂瘤による死亡5例, くも膜下出血の二次的病変により神経脱落状を呈したもの3例, 合併疾患により死亡したもの5例, 合併疾患により症状の出現・悪化をみたもの4例, 未破裂瘤の破裂を来たしたものは4例でありうち3例が死亡した.
未破裂脳動脈瘤のnatural historyを明らかにすることは, その治療の選択に極めて重要な意味を持っ.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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