脳卒中
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脳血管障害のヘモレオロジーに関する研究
第1報 脳梗塞に伴う赤血球aggregationの変動とTrapidilの治療効果
渡辺 博
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1986 年 8 巻 5 号 p. 349-354

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抄録

虚血性脳血管障害のヘモレオロジー的病態解明と治療の目的で, 脳梗塞症例における赤血球凝集を観察した.in vivoでは, ヒト眼球結膜微小血管血流を生体顕微鏡を用いて観察し, 脳梗塞では著明な血流遅延とsludgingが存在することが認められた.in vitroの赤血球凝集は光透過法により測定したが, 脳梗塞では対照との間に有意の赤血球凝集充進を示した.
この赤血球凝集充進を改善する目的で, trapidilの効果を観察した.脳梗塞9例でのtrapidil100mg静注により, 15分後には有意の赤血球凝集改善を認めた.またtrapidil 300mg/日の長期経口投与でも, 4週, 8週後に赤血球凝集の有意の改善を認めた.赤血球凝集の亢進は血液粘度の上昇をもたらし, 脳微小循環障害の原因となることが推測されることから, この病態の改善は脳梗塞治療上, 重要である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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