脳卒中
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Stable Xenon吸入の猫脳血流, 脳波に及ぼす影響
小林 祥泰北村 昭古橋 紀久神田 直田崎 義昭
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1986 年 8 巻 5 号 p. 379-382

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抄録

Stable xenonはradiopaqueなdiffusible tracerのためCTによる三次元的脳血流測定法に臨床応用されている.しかし, Xe自身の脳血流に対する影響については未だ議論が多い.そこで, 我々は5匹の無麻酔猫を用いて80%Xe+20%O2吸入の脳血流に対する影響を水素クリアランス法で検討した.交叉熱電対による観察ではXe吸入約3分後より脳血流は減少しはじめ約10分後にその低下は最大となった.局所脳血流は前頭部皮質下で48.7±17.4ml/100g/minから36.6±25.6 (-20.2±7.5%), 延髄背側部で36.3±2.6ml/100g/minから27.6±20.7 (-24.2±10.4%) といずれも軽度から中等度の有意な減少を示したがテント上下で差は認められなかつた.PaO2は増加傾向を示したが, 平均血圧PaCO2, PHに変化は見られなかつた.また, 後頭部よりモニターした脳波は, 脳血流低下とほぼ一致して徐波化を示したが, 律動性はよく保たれていた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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