脳卒中
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実験的虚血脳のエネルギー代謝の多様性
-in vivo 31P-NMRによる観察-
樋口 敏宏成瀬 昭二堀川 義治田中 忠蔵平川 公義
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1986 年 8 巻 5 号 p. 433-439

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抄録

Mongolian gerbilの総頚動脈結紮により作製した虚血脳の脳エネルギー代謝の変化を, in vivo 31P-NMR測定法を用いて観察し, この実験モデルの特徴について検討を加えた.両側総頚動脈結紮を行った11尾では全例で虚血変化をみとめたが, 一側総頚動脈結紮を行った33尾の内では9尾にのみ虚血変化をみとめたにすぎず, 18尾では全く変化をみとめなかった.虚血変化をみとめたものでも, 高エネルギーリン化合物 (ATP, phosphocreatine) の低下, inorganic phosphateの増加と組織の酸性化が急激に出現したものから, 数時間を要したものまで種々あり, またこの変化が一過性に出現した後に自然に回復したものもあり, 従来報告されている以上に個体による多様性があることが明らかになった.in vivo 31P-NMR法は虚血病巣発生の有無や程度を無侵襲で評価する事が可能であり, 同一個体の変化を経時的に, かつ半定量的に解析する上で極めて有用である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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