脳卒中
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動注DSAによる頭蓋平均循環時間算出とその臨床応用について
黒木 副武北浜 正宮崎 徳蔵永積 惇赫 彰郎
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1987 年 9 巻 1 号 p. 6-13

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抄録

脳卒中患者の脳循環動態を知ることは病態把握や機能予後判定に重要である.我々は動注DSAにて頭蓋平均循環時間 (t), 部分循環時間 (tp) を算出し, 日常生活動作との関連を検討した.対象は中大脳動脈梗塞患者84名で病側, 非病側のt, tpを測定した.測定時期は脳卒中発症より1Mo前後とし, 測定装置は東芝Digiformer Xである.CT scanによる低吸収域が大なるほどtは延長したがtpでは差を認めず, 病側が非病側よりt, tpとも延長していた.正常群のtは4.32±0.45秒であり, 梗塞群は全群6.0秒以上だった.ADLでは, 予後良好群ほどtは短い傾向を示したがtpでは差を認めなかった.不良群では全群, tは6.0秒<で, 6秒が臨床上又CTscanによる梗塞分類の境界値として有用と考えられた.動注DSAは画像と同時に血流動態等の循環パラメーター算出が可能である.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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