脳卒中
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Lacunar strokeの臨床的研究
早川 功
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キーワード: 脳血管写
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1987 年 9 巻 2 号 p. 147-155

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抄録

臨床的にlacunar stroke (CLS) と診断された急性期脳血管発作71例の10%は, 脳出血であった.脳梗塞によるCLS群64例 (PMH46例, AH6例, PSS12例) と, 顔面を含む片麻痺に同側半身の感覚障害のみを呈したsensory motor stroke (SMS) 群36例をとりあげ, LSの臨床的意義について検討した。CT上の病巣が長径1.5cmより大きなI群は, CLS群の19%に認められた.直径1.5cm以下のII群と異常なしのIII群では, 病型別にみると, PMH76%, AH83%, PSS100%に, SMSでも47%に認められた.II+III群 (lacune群) では, 発症型は14%が突発完成型の脳塞栓症を疑わせた.SEPでは, PMH43%, AH50%, PSS78%, SMS82%に異常がみられ, SEPからこれらを鑑別することは困難であった。脳血管写では, I群でCLS群の60% (PMHでは75%), SMSの58%, II+III群の13%に, 内頚動脈系に明らかな閉塞性所見がみられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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