高安病における重要な合併症である脳血管障害の病態を知る目的で109名の本症患者を脳血管障害群 (CVT) と対照群 (NCT) に分け, 両群の高血圧 (HT), 大動脈弁閉鎖不全 (AI) 出現頻度, 遺伝的背景の要因であるHLA-typing, 及び血小板凝集能を比較した.
本症109名中24名 (22%) にTIAを含む脳血管障害が認られた.CVT, NCT両群間にHT, AI及びHLA-Bw52の出現頻度に差はなかったが, 血小板凝集能は健康人群より高安病群に有意の高値 (p<0.01) を示し, かつcollagen凝集においてCVTはNCTより有意に高値 (p<0.05) であった.以上の結果から本症における脳血管障害の発生には血小板凝集の重要な役割が示唆される.