脳卒中
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虚血性脳血管障害における再発例の検討
主に抗血小板薬使用例の分析
東海林 幹夫針谷 康夫岡本 幸市平井 俊策高玉 真光
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1987 年 9 巻 3 号 p. 246-253

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抄録

475例の虚血性脳血管障害例に抗血小板薬を投与し再発に対する効果をretrospectiveに検討した.aspirin (ASA) を108例に, ticlopidine (TP) を199例に投与し, 非使用168例と比較した.30ヵ月の観察期間中に, ASA使用群で15例13.9%に, TP使用群では18例9%に, 非使用群では40例23.8%に再発を認めた。統計的解析では抗血小板薬使用群で明らかな累積再発率の低下がみられた (p<0.001).ASA使用群とTP使用群, ASAの投与量, 性別および併用薬剤による累積再発抑制率の有意差はみられなかった.抗血小板薬は皮質枝領域および穿通枝領域血栓の再発予防に有効であった.再発は同一血管支配領域に多く, 又, 血圧管理の不良なものに多かった.血圧を管理して通常の投与量の抗血小板薬を用いれば副作用は少なく安全に長期投与できると考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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