脳卒中
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前大脳動脈領域に限局した脳梗塞例の臨床的検討
数井 誠司澤田 徹栗山 良紘金子 尚二山口 武典
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1987 年 9 巻 4 号 p. 317-324

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抄録

前大脳動脈 (ACA) 領域にのみ限局する脳梗塞例を臨床的に比較検討した. (1) ACA領域の限局性梗塞例の発生頻度は全脳梗塞例の約0.55%で, 極めて少ない. (2) 成因は血栓症が多く, 血管造影上, 頚部頚動脈病変よりも脳内血管の動脈硬化の関与が大きい. (3) 臨床的特徴としては, 下肢に強い片麻痺, 精神症状および発症時の無言の出現頻度が高い.機能予後は良好である. (4) 膨大部を除く広範な脳梁損傷を有する左側病変の症例に離断症候群が認められ, 脳梁の広範な病変が重要な役割を果たしていることが示唆される. (5) 急性期の神経症状発現には, ACAの閉塞に起因し脳内血流の再分配に伴う機能異常などが関与している可能性が示唆される.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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