脳卒中
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脳内出血を繰り返した, 大動脈炎症候群の1例
福井 啓二貞本 和彦榊 三郎
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1987 年 9 巻 5 号 p. 392-396

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抄録

高血圧性の脳内出血を繰り返した大動脈炎症候群の1例を経験した.症例は小脳出血の既往を有する63歳の女性.頭痛・言語障害・嘔吐を主訴として来院, X線CTにて右側頭葉皮質下出血と診断した.脳血管写上, 出血の原因となりそうな病変は見出せず, 高血圧症を合併していることより, 大脳基底核部に次ぐ高血圧性脳内出血の好発部位である小脳, 皮質下への出血を繰り返したものと考えた.
大動脈炎症候群の頭蓋内合併症は, 文献上, 出血性病変に比べて, 虚血性病変の報告が多い.しかしながら, 大動脈炎症候群では高血圧症を合併する事が多く, 脳出血が死因になることは決して稀ではない.従って, 脳乏血症状に十分注意を払いながら, 血圧を適切にコントロールすることが重要と考えられる.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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