ウイルス
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平成26年杉浦賞論文
インフルエンザウイルス認識機構とワクチン開発に関する研究
一戸 猛志
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2015 年 65 巻 1 号 p. 127-134

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抄録

 細胞がウイルスの侵入をどう感知して,それがウイルス特異的な免疫応答の誘導にどう役立っているのか?を理解することは,効果的なワクチン開発に不可欠である.私たちはこれまでに,合成二本鎖RNAのpoly(I:C)が経鼻インフルエンザワクチンの効果的なアジュバントになることを明らかにしてきた.またインフルエンザウイルスのM2タンパク質が,NLRP3 inflammasomeを活性化させること,肺でのinflammasomesの活性化や腸内細菌叢がインフルエンザウイルス特異的な免疫応答の誘導に必要であることを明らかにしてきた.これらは新しいインフルエンザワクチンの開発に役立つと期待される.

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© 2015 日本ウイルス学会
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