ウイルス
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特集:エボラ出血熱
エボラウイルスと国内の検査体制
下島 昌幸
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2015 年 65 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

 エボラウイルスはヒトに致死率の高いエボラウイルス病を引き起こし,これまで散発的に数百人以下の流行を起こしていた.2013年に始まった西アフリカにおけるエボラウイルス病の流行はこれまでの規模をはるかに上回るものとなり,感染者2万以上,死亡者1万人以上で2015年5月の時点でも終息していない.国立感染症研究所ではエボラウイルス病の実験室診断法(病原体検出法と抗体検出法)を準備・改良しており,この20年で平均して年1回ほど用いられてきたが,西アフリカ3か国からの帰国者で疑い患者とされ検査が行われた件数はこの半年で7件と急増した.本稿ではエボラウイルス病を概説し,国立感染症研究所で準備されている検査法を紹介する.

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© 2015 日本ウイルス学会
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