ウイルス
Online ISSN : 1884-3433
Print ISSN : 0042-6857
ISSN-L : 0042-6857
特集:C型肝炎ウイルス
宿主侵入因子Claudin-1を標的とした抗C型肝炎ウイルス戦略
深澤 征義
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 65 巻 2 号 p. 245-254

詳細
抄録

 抗C型肝炎ウイルス(HCV)戦略として,近年,ウイルス因子を標的とした薬剤(Direct-acting antiviral agents; DAA剤)による治療法が大きな成功を収めつつある.しかし,耐性ウイルス等の問題も考えられ,宿主因子を含めた新たな標的に対する薬剤開発も推進すべきと思われる.宿主肝細胞内へのHCVの侵入には,CD81,SRBI,Claudin-1,Occludin等の宿主分子が関与することがわかってきている.本稿では,これまで我々が取り組んできたClaudin-1を標的とした抗HCV戦略について紹介したい.また,HCV侵入過程に関わる宿主因子を標的とした薬剤開発研究についても概括する.宿主侵入因子を標的とする抗HCV戦略は,特に,移植時の感染阻止やDAA剤との併用において有用であると考えられる.

著者関連情報
© 2015 日本ウイルス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top