抄録
発育不良と運動不耐性を呈した35日齢のゴールデン・レトリーバーに対し,心エコー検査,心血管造影検査,心カテーテル検査などを行った結果,動脈管開存症と大動脈弁下狭窄症と診断された。心エコー検査による左心室と大動脈の圧較差は130 mmHgと重症であった。そこでまず動脈管結紮術を行ったところ,術後約3か月の間,臨床症状は改善した。しかし術後3か月後から徐々に多呼吸が顕著となり,心エコー検査による圧較差が216 mmHgと悪化したため,バルーン弁口拡大術を行ったが,術後30時間後に死の転帰をとった。