2007 年 40 巻 1 号 p. 28-34
部分内臓逆位を確認した門脈後大静脈シャントを有する雄のシー・ズー犬において後大静脈の部分的な欠損を認めた。X線透視装置を用いて後肢からの還流血管を確認したところ,後肢からの還流は門脈とシャントしている後大静脈を通らずに,奇静脈へとシャントして心臓へと流入することが確認された。造影CTスキャン検査画像を詳細に解析したところ,部分内臓逆位,肝部後大静脈欠損および奇静脈連結を伴う静脈管開存症と確定診断できた。本報告ではこれらの血管奇形について,診断学的および発生学的視点から若干の考察を加えた。