日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
右総腸骨動静脈瘻を伴った腹部大動脈・総腸骨動脈瘤の治療経験
札 琢磨岡本 健尾上 雅彦佐賀 俊彦
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 16 巻 3 号 p. 597-600

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抄録

右総腸骨静脈へ穿破し,動静脈瘻を形成した腹部大動脈・総腸骨動脈瘤を経験したので報告する.症例は87歳,男性.近医で著明な両下肢の浮腫,呼吸不全,腹部大動脈瘤・総腸骨動脈瘤を認めたため,当科へ紹介となった.触診上,右側腹部にthrillを触れ,CTで腹部大動脈遠位部から総腸骨動脈の動脈瘤を認めた.術中,瘤後壁に右総腸骨静脈との瘻孔を認めた.用手的に出血をコントロールしながら瘤内腔よりフェルト片付き4-0モノフィラメント糸で瘻孔を閉鎖した.腹部大動脈以下はY字人工血管(UBE WOVEN WYK,18 × 9mm)にて置換した.術後,症状は著明に改善し,リハビリテーション目的に転院した.

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