2007 年 16 巻 6 号 p. 717-723
日本におけるリンパ浮腫治療は,重症例を除き通院にて患者自身によるセルフケアを中心に施行される.診療では,がん治療医療機関とリンパ浮腫治療専門医療機関とが連携し,役割分担して診療に当たることが望ましい.リンパ浮腫の通院治療の基本は,(1)日常生活指導の順守,(2)リンパ誘導マッサージ(セルフマッサージ)の施行,(3)弾性ストッ キング・スリーブの使用である.しかし,この治療を画一的にすべての患者に施行するのではなく,患者の病態と生活環境に合わせた個別の患者指導ができるようevidenceを積み重ねることが大切である.