2008 年 17 巻 1 号 p. 37-39
左総腸骨動脈瘤切除+大腿—大腿動脈交叉型バイパス術後の腹部大動脈瘤に対してコンバーターを用いてbifurcatedグラフトをuniiliacステントグラフトとした比較的稀な内挿術の経験をした.症例は78歳男性であり他院にて直腸がんに対する低位前方切除術および左総腸骨動脈瘤切除+大腿—大腿動脈交叉型バイパス術後,外来通院中に腹部大動脈瘤が 5cmに徐々に増大を認めたため腹部大動脈瘤に対する治療として右大腿部よりコンバーターを含むZenithデバイスを用いてuniiliac stent graftingを施行した.術後経過は良好であり術後 9 日目に問題なく退院となった.片側総腸骨動脈瘤切除例に対してもZenithデバイスを用いた積極的なステントグラフトの使用が可能であることを報告する.