高位腹部大動脈閉塞はY型人工血管バイパス術あるいは腋窩–大腿動脈バイパス術などの方法で治療されており,術後死亡率,合併症の発生率は比較的高い.今回本疾患の 3 例に対して,血管内治療を試み成功し,良好な結果を得た.1 例は重症の間欠性跛行,2 例は切迫壊疽を伴っていた.高位腹部大動脈閉塞でも血管内治療が可能な症例がある.血管内治療は侵襲が少なく,解剖学的な血行再建を行うことができ,とくにハイリスク症例では有用な治療であり,全身麻酔下の人工血管を用いるバイパス手術を行う前にまず試みるべきと考える.