日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
原著
重症虚血肢症例に対する血管リハビリテーション
土田 博光
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 20 巻 7 号 p. 927-932

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抄録

本邦においては,末梢動脈疾患に対する侵襲的治療の流行と対象的に,それが第一選択と位置づけられるにも拘らず,間歇性跛行患者に対する運動療法の普及は乏しいものである。ましてや,慢性重症虚血肢(CLI)に対する血管リハビリテーション(VR)は,ほとんど行われていない.血行再建(REC:バイパス手術ないし経皮的血管形成術)施行後,12週の包括的VRプログラム(監視下トレッドミル運動ないし代替運動療法,物理療法,日常生活指導)を施行した10例の患者(VR群)と,血行再建のみ施行しVRは行わなかった10例の患者(REC群)の予後とを比較したところ,開存率や救肢率に差はなかったが,歩行能力,SF-36,およびBNPはVR群のほうが良好であった.これはVRがCLI患者のQOL改善に必須の治療法であることを示唆している.

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