日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
EVAR後のType IIエンドリークに対して外科的治療を必要とした1例
田中 恒有吉鷹 秀範杭ノ瀬 昌彦都津川 敏範石田 敦久近沢 元太津島 義正
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2012 年 21 巻 4 号 p. 599-602

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抄録

腹部ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair; EVAR)後の瘤拡大に対して開腹手術を行った1例を経験したので報告する.症例は77歳男性.2007年9月に腹部大動脈瘤に対してEVARを施行された.術後Type IIエンドリークを認め,外来でフォローアップしていた.2011年4月瘤拡大を認めるようになり,手術目的で入院した.手術は経腹膜経路で到達し,腰動脈を外側からクリッピングして瘤を切開し縫縮した.ステントグラフトは抜去しなかった.EVAR後の晩期エンドリーク治療には,経動脈的塞栓術や経腰的塞栓術などがあるが,本邦で開腹手術を要した報告は少ない.本術式は,腰動脈を処理することでエンドリークを止め,新たに人工血管置換術をする必要がなく,低侵襲であると思われた.

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