日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
上腕動脈に生じた医原性動静脈瘻の1例
青木 正哉小島 淳夫
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2012 年 21 巻 7 号 p. 813-816

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抄録

要  旨:近年,カテーテル検査は漸増の一途である.検査時の穿刺に伴う合併症の一つとして動静脈瘻があるが緊急性は少なく治療せず経過観察されていることもある.しかしながら医原性動静脈瘻に関する報告は少なく,詳細について不明な点も多い.今回,上腕動脈に生じた医原性動静脈瘻に対し,瘻孔閉鎖術を行った症例を経験した.症例は56歳女性,心不全の精査で他院において心臓カテーテル検査が行われた.その1カ月後,通院中の近医で右上肢のスリルを指摘され当院紹介となった.エコー,CT血管撮影(CTA),血管撮影検査により右上腕動脈に生じた医原性動静脈瘻と診断した.保存的治療で改善せず,瘻孔閉鎖術を施行した.瘻孔は動脈と併走する2本の上腕静脈を結ぶ交通枝上に認められ,直視下に瘻孔閉鎖を行い,術後合併症はなく良好な結果が得られた.

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