2013 年 22 巻 7 号 p. 1001-1004
要 旨:孤立性腹部内臓動脈解離は比較的稀な疾患である.造影CTを撮影しなければ診断困難なために,軽症の場合は見逃されることも多い.また閉塞性動脈硬化症や塞栓症と診断困難な場合もある.保存的加療としては降圧や抗凝固療法を行い,症例によって手術や血管内治療による血行再建を行うが,いずれも明確な治療指針はない.今回当施設で4例の腹部内臓動脈解離を経験した.3例は保存的治療を,1例はバイパス手術を行い軽快した.症例ごとに的確な治療方法や術式の選択が重要である.