日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
腹部大動脈瘤に対してENDURANT® AAA stent graft 留置術後早期に脚閉塞をきたした1 例
小池 則匡高橋 徹茂原 淳渋谷 圭蜂谷 貴竹吉 泉
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2014 年 23 巻 1 号 p. 48-52

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抄録

要旨:症例は64 歳男性.臀部悪性線維性組織球症の左肺転移に対し手術予定となり,その全身検索のCT で最大径54 mm の腹部大動脈瘤(AAA)が認められたため,肺の手術後にステントグラフト内挿術(EVAR)の方針となった.画像上,左総腸骨動脈〜外腸骨動脈は115˚ の屈曲があった.ENDURANT® を用いてEVAR を施行した.最終造影で左内外腸骨動脈分岐部に50%程度の狭窄がみられたが経過観察とした.術後のABPI は正常範囲内であった.術後20 日目,気温35˚C の日中に長時間蹲踞姿勢で庭仕事をした夜,一過性の左下肢痙攣を自覚し,翌日より間歇跛行症状があったが放置していた.術後28 日目にCT でステントグラフト左脚閉塞が判明したため右外腸骨動脈-左総大腿動脈バイパス術を施行した.今回われわれはENDURANT® AAA stent graft 留置術後早期に脚閉塞をきたした1 例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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