日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
進行する広範囲組織欠損に対し足部下腿動脈バイパス術を行い救肢した糖尿病性足病変の1 例
山尾 順駒井 宏好
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2015 年 24 巻 6 号 p. 893-897

詳細
抄録

要旨:症例は60 歳男性.右足部広範囲皮膚潰瘍を主訴に近医を受診した.未治療の糖尿病により発症した足壊疽の診断で,抗菌薬投与とデブリドメントが繰り返されたが,病変増悪のため当科へ紹介された.糖尿性足病変には通常保存的な創の治療が行われるが,感染の完全制御が第一であり,軽度の虚血を合併する場合にはバイパス術が有効なこともある.今回,SPP 47 mmHg と局所循環動態からは治癒能力ありと考えられた難治性糖尿病性足病変に対して,感染処置を十分に行うことに加え,下腿バイパス術を行い救肢しえたので報告する.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top