2015 年 24 巻 7 号 p. 963-966
要旨:症例は21 歳の女性.WEST 症候群,痙性四肢麻痺の診断で挿管管理を要し,呼吸器感染を繰り返していた.15 歳時に気管切開術を行い,側彎症の進行により20 歳時に喉頭気管分離術を施行された.定期的気管支鏡検査で気管内に腕頭動脈の拍動を認め気管腕頭動脈瘻のリスクと判断された.術前CT で腕頭動脈の走行,脳底動脈交通を確認した.手術は左鎖骨,胸骨左上縁を切除後,腕頭動脈を剝離しクランプして右上肢の著明な血圧低下や脳内酸素飽和度の低下がないことを確認し離断し,断端は結紮・縫合した.術後脳血管障害や右上肢の虚血,創部感染などの合併症は認めず術後9 日目に退院となった.