抄録
要旨:症例は50 代男性,主訴は両下肢間欠性跛行で,鼠径部以下の脈拍は触知困難であった.ABI(ankle-brachial pressure index)は右0.55,左0.造影CT にて下腸間膜動脈分岐後の大動脈は閉塞していた.また下腸間膜動脈レベルから分岐する異所性腎動脈を右2 本,左1 本確認した.大動脈-両腸骨動脈ステント留置後,ABI は右1.00,左1.00 と改善し,跛行症状は消失した.術後3 カ月の造影CT で,複数の異所性腎動脈はいずれも開存し,腎機能の悪化は認めなかった.