日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
両側水腎症を合併した炎症性腹部大動脈瘤・両側総腸骨動脈瘤に対し腹部ステントグラフト内挿術を行った1 例
山本 希誉仁西部 俊哉平野 雅大田中 敬三平岩 卓根田中 國義
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 25 巻 p. 19-22

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抄録

要旨:両側水腎症を合併した炎症性腹部大動脈瘤・両側総腸骨動脈瘤に対し,両側内腸骨動脈コイル塞栓術と腹部ステントグラフト内挿術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は81 歳,男性.右下腹部痛にて当院受診し,単純CT にて最大短径85 mm の腹部大動脈瘤と両側総腸骨動脈瘤を指摘された.瘤周囲の外膜は前側壁を中心に肥厚し両側水腎症を合併していた.乏尿を認め血清クレアチニンは2.4 mg/dlと上昇していたために術前に右腎瘻を造設したところ,利尿が得られ血清クレアチニンは1.0 mg/dl まで低下した.手術は両側内腸骨動脈をコイル塞栓し,Excluder® にて腹部ステントグラフト内挿術を施行した.術後経過は良好で,右水腎症は改善し術後17 日目に右腎瘻カテーテルを抜去した.退院時に左水腎症が残存していたが,術後6 カ月後のCT では左水腎症も改善した.

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