日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
透析アクセス関連盗血症候群に対するdistal revascularization-interval ligation(DRIL)後の治療効果判定にインドシアニングリーン血管撮影検査を行った1 例
中村 政宏猪狩 公宏豊福 崇浩工藤 敏文井上 芳徳
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 p. 37-41

詳細
抄録
要旨:透析アクセス関連盗血症候群に対するdistal revascularization-interval ligation(DRIL)は透析アクセスの血流を保ちつつ上肢の虚血を改善する目的で行われるが,上肢の虚血を評価する方法は確立されていない.今回われわれはDRIL 後の治療効果判定にインドシアニングリーン血管撮影検査(indocyanine green angiography; ICGA)を用いた.症例は75 歳,男性.左肘部シャントを造設したが,術後から透析時に左手指全体に疼痛を自覚し,術後12 カ月では左第3 指先端に壊疽が出現した.盗血症候群と診断しDRIL を施行し,疼痛とチアノーゼは改善し壊疽部は治癒傾向となった.ICGA では蛍光開始から最大輝度の半分の輝度に達するまでの時間を計測し術前56.6 秒から術後48.4 秒と改善し,ICGA は上肢の虚血を評価する検査として有用と考えられた.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top