日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
原著
下肢静脈瘤ラジオ波焼灼術後のEndovenous heat induced thrombosisの検討
北川 敦士 黒沢 つぐみ桶口 三香子吉田 朋子長尾 俊彦
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 p. 367-372

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抄録

【目的】下肢静脈瘤ラジオ波焼灼術後のEndovenous heat induced thrombosis(EHIT)の発生率,時期,危険因子について検討した.【方法】対象はラジオ波焼灼術を行った大伏在静脈(great saphenous vein: GSV)瘤99名110肢.ClosureFASTカテーテルを使用.術後血管エコーによる評価を術後1, 7, 30, 90日目に施行.EHITの発生率,時期,危険因子について検討した.【結果】EHIT発生率は29%(Class1: 24%, Class2以上:5%).時期は,術後1日目:11%,7日目:24%,30日目:7%,90日目:1%と術後7日目が最多であった.発生危険因子は多変量解析上,GSV血管径7.5 mm以上であった.【結論】ラジオ波焼灼術後のEHITは術後7日目が最も多く発生した.術後血栓塞栓症を予防するために,今後,周術期血管エコーの時期と対象を再検討する必要がある.

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