2017 年 26 巻 2 号 p. 121-124
症例は83歳男性.腹部大動脈瘤に対してExcluderを使用してステントグラフト内挿術を施行し,経過でエンドリークや瘤径の変化は指摘されていなかった.18カ月後に持続する左臀部から大腿部にかけての疼痛を訴え,外来受診となった.CTでは明らかなエンドリークは同定されなかったものの腹部大動脈瘤は著明に増大し,左背側に連続した血腫と第3腰椎の破壊を伴っていた.血行動態は安定し貧血も認めないことからchronic contained rupture(CCR)と診断した.根性痛を緩和するためdelayed open surgical conversionを施行した.大動脈瘤内の血腫を除去し,Y型人工血管で置換した.術後に根性痛はすみやかに消失した.