2017 年 26 巻 4 号 p. 225-230
下肢静脈疾患治療でエポックメーキングな三つの出来事があった.一つ目は,2011年1月よりダイオードレーザーによる血管内焼灼術が保険収載になったことで,二つ目は,2014年4月より内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS: Subfascial Endoscopic Perforator Surgery)という術式が保険収載となったことである.従来保険収載された下肢静脈瘤術式は総て表在静脈に対する処置であったが,SEPSは穿通枝静脈に対する治療法である.三つ目は2016年9月より硬化療法時のポリドカスクレロール使用に際し,フォームでの使用が添付文章に記載されたことである.そこで今回の教育セミナーでは,下肢静脈瘤治療の中でも血管内焼灼術,SEPS,フォーム硬化療法を中心に解説するとともに,皆様に是非忘れないで欲しい1症例を提示した.