日本血管外科学会雑誌
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症例
心肺停止を来した大伏在静脈Venous Aneurysmの1例
小川 辰士須田 久雄中井 洋佑在國寺 健太神谷 信次水野 明宏
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2018 年 27 巻 6 号 p. 495-498

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抄録

静脈性血管瘤(Venous Aneurysm: VA)は稀な疾患である.大伏在静脈VAが原因となり,肺血栓塞栓症(Pulmonary Embolism: PE)を発症し心肺停止を来した症例を経験したので報告する.症例は81歳女性.立位にて増悪する左鼠径部の腫瘤を主訴に消化器外科受診.鼠径ヘルニアの診断で手術を施行するもヘルニアは認めず,左大伏在静脈VAの診断で当科コンサルトとなった.外来での下肢血管超音波検査直後に意識レベル低下を認め心肺停止となった.蘇生後の造影CTでPEとVA内に多量の血栓を認め,入院16日目に手術を施行.術中所見と諸検査から,診療行為により血栓遊離を来しPEを発症したものと推察された.心肺停止を来した表在静脈VAはわれわれが調べた限り報告はなく,早急な外科的治療介入に加えて,PE発症を念頭に置いた慎重な診察が必要であると反省させられた一例であるため,警鐘を兼ねて報告する.

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