2018 年 27 巻 6 号 p. 467-472
【目的】独自の自作Off-the-Job Training(以下Off JT)システムの効果と有用性を,医学生および医師を募って施行して得られたデータにより評価した.【方法】当科での安価で簡便な独自のOff JTシステムを考案した.このシステムの特徴として実際の開腹手術における深部での術野を想定し,プラスチック製の鉢の底で血管吻合のトレーニングを行った.(A)吻合時間,(B)半自動的に画像解析・評価した“バイト”および“ピッチ”の変動係数,(C)Operative Performance Rating System(OPRS)に基づき指導医が評価した総合的な血管吻合・縫合手技のスコア,(D)これら(A)~(C)の相関関係の4項目を評価した.【結果】トレーニング後に吻合時間,バイトおよびピッチの変動係数は減少した.またOPRSによるスコアは高くなった.これら3項目間には強い相関を認めた.【結論】吻合時間の短縮,バイト・ピッチの均一性やOPRSの改善がトレーニング後に認められ,当科独自の自作Off JTシステムの効果が示された.(本稿は,下記論文を日本語訳したものです.Annals of Vascular Diseases, doi: 10.3400/avd.oa.18-00075)